織物について




織物組織

織物は経糸と緯糸を定の規則で交差させてシート状にしたもので、この糸を交差させることを組織するという。
糸の交差の仕方を織物組織という。
また、経糸が緯糸の上にあるマス目に印をつける。この最小単位組織を完全組織という。

三原組織

  • 平織(plain weave)
  • 斜文織(twill weave)
  • 朱子織(satin weave)

1.平織

  • 最も簡単な組織
  • たて、よこ各2本で完全組織となる

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綿織物:金巾、キャラコ、天竺、ポプリン、ブロード、ローン、ギンガム
絹織物:羽二重、縮緬、タフタ
毛織物:トロピカル、ポーラ

2.斜文織(綾織)

  • たて、よこ各3本以上
  • 平織りに比べ摩擦に弱いが組織が柔軟であるため、しわになり難く、光沢に富む

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綿織物:ドリル、デニム(ジーンズ)
毛織物:サージ、ギャバジン

3.朱子織

  • たて、よこ5本以上の組織
  • 光沢を生かした絹織物や化学繊維フィラメント織物
  • りんず、どんす、たて朱子とよこ朱子の組み合わせで文様を表した織物

毛織物:ドスキン
綿織物:綿朱子




糸の構造&性質




糸の太さについて

糸(Yarn)は、繊維の集合体であり、その断面形状は不明確である。
糸の太さを直径で表すことは難しく、糸の長さと質量を用いて表示する方法が用いられる。
このような表示法を番手といい、恒長式番手と恒重式番手の2種類ある。

繊度は、繊維または糸(フィラメント糸)の太さを表す。デニールとも言われる。

恒長式番手 

  • すべての糸→テックス→1,000m→1g   テックス=0,111×デニール
  • フィラメント糸→デニール→9,000m→1g

ISOでは、単繊維、糸、スライバー(Sliver)すべての太さを表す。
国際標準としてテックス方式(texsystem)、1000m→1g
1000mの質量 30g → 30tex
1mg→ミリテックス(mtex)
1000g→キロテックス(ktex)
フィラメント系の太さには、デニールの値に近いデシテックス
1000mの質量5g → 50dtex

恒重式番手

  • 綿糸、スフ糸、絹混紡糸→綿番手
  • 麻糸→麻番手
  • 毛糸→メートル番手→1,000g→1,000m

標準質量が定められ、その質量の糸の長さが標準長さの何倍あるかを求め、
その値を番手(count)とするものである。
この数値が大きい糸は小さい糸よりも細い。 

糸の太さ計算

  1. テックス T=1,000/1×w/l=1,000×w/l
  2. デニール D=9,000/1×w/l=9,000×w/l
  3. 綿番手 N=453.59/768.1×l/w=0.5905×l/w
  4. 麻番手 N=453.59/274.32×l/w=1.654×l/w
  5. メートル番手 N=1,000/1,000×l/w=1,000×l/w

 




糸の種類




糸の種類

  • 紡績糸: 綿、羊毛、麻 適当な長さに切断された化学繊維などの短繊維からなる糸。
  • フィラメント糸: 絹、化学繊維、など、連続した繊維を所定の本数束ねた構造の糸。
  • 複合糸: ステープルを含む異種繊維を混合した糸。複合紡糸。

 

製糸:
蚕によって作られる繭から繭糸を解除し、数本集めて一本の糸を作る。
この工程を製糸といい、出来た糸を生糸という。

加工糸:
フィラメント加工糸の製造法には、仮撚り法、押込法、摩擦法、賦型法、空気噴射法などがある。
ポリエステルやナイロンフィラメントに捲縮を加え、伸縮性とかさ高性を付与するものであり、
フィラメント加工糸の中で最も多い。

飾り糸(ファンシーヤーン):
飾り糸は、意匠撚糸(Fancy Yarn)、飾り撚糸ともいい、繊維の種類、色、太さ、撚り数などの異なる
2本以上の糸を撚り合わせて特殊な効果を持たせた糸。

ループヤーン

芯糸の周りにからみ糸をループ(なわ)状に形成させた糸で、抑え糸で反対方向の撚りを変えるループの崩れを防ぐ。
他にループを小さな輪状にしたリングヤーン、ループの撚り戻しにより、つの状にするスナールヤーンがある。

ノップヤーン

ノットヤーンとも言われる。糸中にノップ(節玉)をあらわした糸。芯糸の送りを一時中止して、
からみ糸を芯糸に巻きつけることにより小さな玉を作った後、押さえ糸を用いて上よりした糸。
類似のスレットヤーンは、芯糸とからみ糸で中よりする際に芯糸を一時的に微動させ、
からみ糸を芯糸に巻きつけ、玉を形成後、押さえ糸を用いて上よりした糸。

モール糸、シェニールヤーン

2本の糸の間に他の糸をループ状に巻き付けて、ループをカットして立毛した糸。織物を裁断後、
撚りをかけて製造したモール糸もある。

その他飾り糸

2,3本の色糸諸撚り糸である杢糸(もくいと)や、芯糸2本の間に精紡機で作ったむら糸を
供給したスラブヤーン、ネップを原料あるいは紡績の中間工程で投入するネップヤーンがある。

 




特殊なフィラメント糸

①複合フィラメント糸(コンジュゲート糸)
(複数成分の高分子を単繊維内で接合した糸)

  • サイドバイサイド型
  • 芯鞘(シースコア)
  • 多層構造の多芯型、放射型

②混繊糸

フィラメント繊維同士を混合して製造した糸

③スリットヤーン&スプリットヤーン

  • スリットヤーン(slit yarn)は、プラスチックフィルムを延伸した後に所望の幅に切断して得られる。
  • スプリットヤーン(split yarn)は、スリットしたフィルムをフィブリル化するまで延伸した後、
    衝撃を加え、数dtex以下の細繊維に分割した糸であるが、各繊維はお互いに連結していて、
    引き張り強さが大きく、フィラメント糸を紡績糸の中間的な性質を持ち、産業用途のほか、衣料用への
    可能性もある。

 

特殊な構造な糸

コアヤーン

ポリウレタンやナイロンなどのフィラメント糸を芯糸にして、綿・羊毛などのステーブル繊維を
撚り合わせた2層構造の糸

カバードヤーン(カバリング糸)

ポリウレタンなどのフィラメントを芯糸にし、他の紡績糸あるいは、フィラメントを一重にカバリング(シングルカバリング)、
または二重(ダブルカバリング)に巻き付けた糸。サイロスパン精紡や中空スピンドル撚糸機を用いて作る。

ラッピングヤーン

カバード糸と同じような原理で、無撚りの天然繊維束を芯に位置させ、
それに化学繊維のフィラメントをらせん状に巻き付ける。

精紡交撚糸

梳毛糸でいうサイロスパン精紡を利用し、異種のステープルやフィラメントを混紡した糸。

 

 




⑩ポリ乳酸

⑩ポリ乳酸

トウモロコシ、サトウキビなど植物のでんぷんを原料とした繊維

土中に埋めると微生物によって水と炭酸ガスに分解される。
そして、発生した炭酸ガスは、光合成により、植物に取り込まれて再びでんぷんが作りだされる。
二酸化炭素の産出を抑制する、環境にやさしい自然循環型繊維。

 




⑦ポリ塩化ビニル⑧ビニリデン⑨ポリクラール

⑦ポリ塩化ビニル(Polyvinyl Chloride Fiber)

  • 摩擦に強い。
  • 軽い。比重は羊毛、絹とほぼ同じ。
  • 難燃性。完全な不燃性繊維。
  • 保湿性に富む。
  • 耐候性が極めて大きく、日光に対して強い。
  • 酸、アルカリには非常に強く、無機薬品に対する抵抗性は抜群。
  • かび、虫に侵されない。
  • 100℃位から熱収縮し、耐熱性が低い。
  • 摩擦作用によって静電気を帯びやすい。摩擦や圧縮などの機械的作用により、
    いちじるしく帯電することがる。帯電性は、アクリル繊維よりはるかに大きい。
  • 極難染性の繊維で、染色は原液染にする。
  • 不織布の製造にも持ちられる。

 

⑧ビニリデン(Vinylydene Fiber)

  • 塩化ビニリデン80%~90%&塩化ビニル20%~10%との共重合体からなる繊維。
  • 融点と分解温度があまり離れていないため、熔融紡糸することが困難で、押出紡糸で糸状にする。
    その為、細い繊維が得られないのが欠点。
  • 比重が1.70と軽くないので、工業用、産業用に使われる。
  • 摩擦に強い。
  • 酸、アルカリに強く、耐薬品性は非常に良好である。
  • 柔らかく伸びやすい。
  • 難染色性繊維。原液染。
  • 人形の髪、人工芝、魚網、水産用ロープなど。

 

⑨ポリクラール(Polychlal Fiber)

  • 水に溶けないポリ塩化ビニルと水に溶けやすいポリ塩化ビニルアルコールおよび、
    ポリビニルアルコール・ポリ塩化ビニルグラフト重合物の3成分を混合し、紡糸したもの。
  • 強度は、ビニロン、ポリ塩化ビニルの中間品。
  • 柔らかい優雅な風合いで、羊毛のような感触。
  • 柔らかく、伸びやすい。
  • 比重1.32で羊毛、絹、アセテートと同じ。
  • 吸湿量は3.2%で、ポリエステル、アクリルなどに比べて大きいが、非親水性繊維に属する。
  • 耐候性に優れ、虫、かびに対し完全に抵抗する。
  • 帯電性、ピリング性が少ない。
  • 染色性が良い。
  • 難燃性で、防燃用の素材として適している。
  • 耐摩擦性が非常に優れている。