編物・ニットの種類 (Name of Knit)
ニット(編物)の起源や発展の歴史、ならびに緯編(平編・リブ編・両面編・パール編変形組織)や経編(トリコット・ラッセル)などの構造・特徴・用途について詳しく解説します。
■ 編物の歴史
古代、魚をとる網やカゴやむしろなどに原型があり、英語でメリヤスをHOSIERY(ホーズ)という。ホーズは「靴下」の意味であり、編物の歴史は靴下から始まったということが分かる。1589年イギリスのウイリアム・リーが靴下機を発明したのが今日の編物(ニット)の発端となった。メリヤス編機が日本に入ってきて、靴下が作られるようになったのは明治になってからである。そして、メリヤスがニットといわれ、織物と肩を並べるまでに発展し、衣料分野で大きな割合を占めるようになったのは戦後になってからのことである。
緯編生地の名称 (Name of Weft Knitting) 【平編の変形組織】
ニットは歴史が浅く、織物ほど明確な名称化がされていない為、一般的には、編組織の名称がそのままニット生地の名称になっている場合が多い。
鹿の子(かのこ)
平編にタック編みを併用し凹凸や透かし目を作る。並鹿の子・浮き鹿の子・表鹿の子等がある。ポロシャツの定番。
亀甲柄
タック点の配列でループを引き寄せ、透かし目・隆起効果を得る組織。飾り糸等を用いてショールや婦人服に使用。
煉瓦柄(れんが)
2種の糸とタック配列により、レンガを積み重ねたような美しい立体幾何学柄を表現。婦人用セーター等に採用。
梨地編 (Crepe Knitting / アムンゼン)
タック点を不規則配列し、果物の梨のようなザラついた質感を作る。ポロシャツやスポーツウェアに人気。
レイドインホップサック
シングル・ジャージー代表格。柄糸をループにさせず保持させることで重厚感を出す。秋冬アウター用途。
スモールパターン
平編にウェルト(不編)を併用し糸を浮かせ、タックで接合。浮き糸の少ないジャカード柄をアウター等に表現。
レース編 (Lace Knitting / 透孔編)
ループを隣の針に移す「目移し編」により透かし穴や模様を表現。女性用下着、ポロシャツ、セーター用途。
アイレット編 (Eyelet Knitting / ペレリン編)
目移し針を用いて小孔状のきれいな透かし目を出す編地。婦人下着、ナイトウェア、メンズポロシャツ用途。
添え糸編 (Plating Stitch)
地編糸に別糸を添えて編み、裏側や表面に別の糸や色を露出させる技術。靴下補強や模様出しに活用。
パイル編 (Pile Knitting / ループ編)
パイル糸の高さを変えてループを突出させる編み方。ループのまま残すものとカットするもの(カットパイル)がある。
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針抜きゴム編
総ゴム編み(1×1)に対し、規則的に針を抜いて編む技法。横方向に非常に良く伸びるのが特徴。
ゴム亀甲編
ゴム編みにタック編・ウェルト編を併用し表面に亀甲模様を浮かせる。厚みのある下着や外衣に使用。
リップル (Ripple / テレビ柄)
「さざ波」の意味。ニットでは横縞状の隆起を出す組織(テレビ柄)。立体的凹凸感が大きな特徴。
ブリスター (Blister / リリーフ・クロッチ)
ジャカード装置を用い編地全体に細かい隆起を作る。給糸口数によりシングル・ダブルブリスターに分かれる。
ミラノ・リブ (Milano Rib)
1完全3コースでゴム編と袋編を繰り返すダブルニット。伸縮性が少なく形状安定性が高いためスーツやドレスに多用。
片袋編 (ハーフミラノ)
1完全2コースでゴム編と平編を繰り返す。ミラノリブより横伸びしやすく片面だけ横縞が出る。子供服等用途。
ダブル・ピケ (Double Pique)
ゴム編変化組織による三毛。織物ピケに似た縦方向に盛り上がった「すじ」が走る外観が特徴。
目移し柄のゴム編
目移しにより透かし目模様を作るゴム編み。セーター、ポロシャツ、婦人用下着等に幅広く採用。
縄編 (Cable Knitting / ケーブル編)
目移しを応用し縄状模様を縦縞に浮き出させる。アランセーターやチルデンセーターの代名詞的編地。
添え糸ゴム編
針抜きを多くしたゴム編に添え糸技法を応用し、2色の糸をきれいな縦縞として表現した編地。
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4段両面編 (Interlock Knitting)
4段バットとカムで編成。3段より重厚で圧縮弾性が大きく、織物に近いしっかりした風合いを持つ。
シングル・ピケ (Single Pique / 両面鹿の子)
両面編にタックを応用。表面は滑らかでありながらタック目が鹿の子状に現れる。ポロシャツ・外衣用。
斜文編
3種針・カムの配列やタックにより綾織物のような綾線を表現。織物と異なり綾線は表面のみに出る。
3段両面ヘリンボーン
柄糸を杉綾(ヘリンボーン)状にニットさせ表面にだけ伝統的な杉綾模様を表現した美しい組織。
ポンチローマ (Ponte Roma / モックミラノリブ)
1完全4コースで両面編と袋編を反復。両面編の緻密さとミラノリブの弾力性を持ちアウター定番。
両面編透かし目柄
針抜きを行い2×2ゴム編みと同じ針列でタックを取り入れた両面編みの美しい透かし柄組織。
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プレード(Plaid / 格子柄)とも呼ばれる組織。厳密には3色以上の大型格子を指すが一般的にチェックに含まれる。立体感や独特の表裏目を生かした模様表現が特徴。
バスケット編 (Basket Stitch)
パール編の厚み・縦伸びと平編の平滑さ・横伸びを融合。かごめ状の安定した変化編地を作る。
パール編の梨地
表目組織点と裏目組織点をジャカード装置で不規則に組み合わせ、梨地状のザラついた表情を出す。
リンクス・ミス・ダイヤ柄
リンクス機による応用柄。表目・裏目の高低差により無地ダイヤが立体的に集合浮き出る立体柄。
ケーブル・アンド・パール編
パール編地にケーブル編(縄目)を併用。振り装置と両頭針入れ替えにより表現する高度な技法。
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